カワサキの当時のフラッグシップZ1300(KZ1300)の外装レストアペイントです。
6気筒のバカでかいエンジン積んでたアレですね。
この頃のZ系の純正塗膜は現在ほとんどの場合、色が飛びまくっててヒビ割れもヒドくてってのが多いですね。
そりゃ30年以上も前の車両だから仕方がない。塗料自体の質も現在とは雲泥の差ってやつです。
あまり知られてないかもしれませんが、現在主流の塗料の2液ウレタンも出始めてから20年そこそこだってハナシです。
意外に早い塗料の進化。今は水性に移行しつつありますね。
話が脱線しましたが、しかしこの頃のカワサキは早くもキャンディーカラーを使いまくっていました。
キャンディーというのは、まず最初にシルバーメタリックを吹き、その上から半透明のキャンディーカラーを吹くことで色を付ける手法です。
半透明さがリンゴ飴みたいな感じだからキャンディー。
独特の深みが出るのが特徴ですが、手間が単純に2倍かかるしムラなく吹くのにそれなりのテクニックが必要です。
カワサキのキャンディーはそれに加えて下地のメタリックにも着色してあったりします。
この場合下のメタリックの色とキャンディーが合わさって初めて表面上に色が現出するわけで、
その色の再現は困難を極めます…
でもこうしなければ色が鮮やかすぎて、あの独特の重さが出なかったでしょうね。
リペイントをする場合、一度オリジナル塗膜の表面のキャンディー層を削って下のメタリック
を出して、それから同じ色を作り始めます。
こうまでしても結局当時のままの色を再現するのは不可能です。色があせてて見本がないからね。
一度も箱から出してないデッドストックパーツなんかを持ってれば別ですが。
だからこういう場合うちで重視するのは雰囲気です。
言葉にするのは難しいけど”らしさ“、当時のニオイ。クリアーも厚くなりすぎず、鏡面になりすぎず。
仕上がって車両に取り付けて不自然さが出なければ成功。
ルミナススターライトブルー。
この色、信じられないかもしれないけど下にレッドのメタリックが吹いてあり、その上にブルーキャンディー。
近頃のバイクでもキャンディーは使われてるけど、下に色付きメタリックを使うのは
あまり見なくなりましたかね。
当時は色々こだわって作ってたんでしょうか。
# by ton-uppaint | 2009-11-07 15:43 | RESTORE PAINT